写真:6Ave, 35Stにある附属屋さん。驚くほど種類が豊富。ユザワヤの比ではない。
さて、インターンとしてトレーニングを始めて一ヶ月が過ぎ、最近の私の仕事状況はどうなっているのか?というと、今のところ何でも屋という感じ。一番責任の重い仕事は、翌月のドレスのオーダーをまとめてどれだけの生地や附属が必要で、顧客に合ったパターンのサイズがあるかどうかを調べ発注をかけるという、いわば生産管理。会社の資金繰りに関わってくる業務なので間違いのないようにとても神経を使う。そして、発注した物はこちらから出向いて取りに行く、というやり方。これもインターンの仕事。うちの会社のあるSOHOと、日本で言う日暮里のようなGarment districtは地下鉄で数駅という近さだけど、いちいち取りに行くなんてびっくり。日本のアパレルはどんなに小さい会社で、発注数が少なくても送りが当たり前だったし、または生地や附属屋の営業が持ってきてくれたものだった。そして、こちらの生地屋はたたみで渡すのではなく、ロール状にするのが一般的なようで、持ち運びがちょっと大変。先日は発注数が多く重かったので生地ロールを肩に担ぐしかなかった。NYのミッドタウンで、「毎度~、佐川急便ですー!」
あとは、レギュラーパターンを顧客サイズに直したり、裁断を手伝ったり、トワルを縫ったり、買い物に行ったり、EXCELやWORDで書類を作ったり、言われたことは何でもやる。
社内のパタンナーは一人だけ、イギリス紳士風のおじ様、ML。実際どこの出身の人かまだ聞いたことがないのでわからないけど、そんな雰囲気。彼とのコミュニケーションにちょっと苦戦している。まず、何か質問しても必要最低限のことしか教えてくれないし、彼の英語はとても聞き取りにくい。そして、彼の仕事の範疇でないことは、「I don't know.」で終わってしまう。それ以上のことは聞き辛い。なんだか壁がある。ここで働き始めて一番感じるのが、仕事の教え方が丁寧でないところ。単に文化・習慣の違いからくるギャップかな。皆悪い人ではないし、意地悪されてるわけでもないのはよくわかるんだけど、日本だったら大抵の場合相手が業務内容を理解できるように、間違いを起こさないように教えるけど、ここではとにかく「これやっといて、次はこれ」と、まだまだ会社の流れがほとんどわかっていない相手に細かい説明なしに頼む。なのでこちらからたくさん質問しないといけないし、後になって、「頼むときにこのポイントを教えておいてくれれば二度手間にならずに済んだのに!」ということが度々起こるし、ミスも起こしやすい。そして、質問したい相手に限って皆威圧的なので、こちらの意見がとても言いにくい。特に英語だとなおさら。英会話に関して実感するのは、親しみやすい相手だと聞き取りやすいし、こちらの英語も出てくるものだけど、威圧的な相手だと聞き取りづらく、こちらの言葉も固まってしまいがち、ということ。特に私は強いキャラクターではないので、そういう人とのやり取りに大きな心理的負担と恐れを感じてしまう。だからと言ってわからないままにすることもできないし、避けることもできない。こちらのアプローチの仕方を考え工夫してより良く仕事を進められるようにするしかない。忍耐や謙虚さを身につけることを覚えさせられる。「うっ」と思う度にみことばや、イエス様の愛が私の心を守ってくれる。感情的な戦いはあるけど、感情に流されてしまわないように助けてくれる。
そんな苦労はあってもまだまだ未知数なNYのドレスメーカーでの経験は面白い。思考をフル回転させながらの日々だけど、「生きてるな~」と思う。日本で使う必要のなかった感覚が目覚めるというか…。
ちょっとオアシス的存在なのが裁断のおじさんNS。優しくて面白い。彼は日本語に興味があるらしく、私やもう一人の日本人インターンのAちゃんによく聞いてくる。最近は「どういたしまして」を覚えて、私が彼に「Thank you」と言うと、「ドーイタシマシテ」と怪しいイントネーションで答えるので笑わせてくれる。それを聞いたポーランド出身のHNは、「今なんて言ったの?」とNSに尋ね、彼が説明すると、「私の国の”Who are you?”に相当する言葉に似てる!」と反応していた。
そんなひと時が私をなごませてくれる。